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新宿区の狭小住宅「神楽坂の家」Narrow house in Kagurazaka ,Tokyo

所在地
東京都新宿区
竣工年
2009年12月
敷地面積
50.5㎡
延床面積
71.2㎡
構造階数
木造3階
施工
スリーエフ
写真
篠沢 裕
仕事場に近い都心に住み続けたいという共働きの若い夫婦が、古い趣の残る街神楽坂近くに巾3,6m奥行き14mといういわゆる狭小の敷地を求めた。間口の狭い住宅が建ち並ぶ都会の谷間のような敷地だ。

東側高度斜線で建物が切り取られてしまう3階部分をうすく西側に寄せ、ここを玄関上部に開口部のない白い箱として2,4m張り出させる形とした。駐車場を確保し、1階には寝室と水廻り、2階にリビングと駐車場上部に張り出したキッチン、3階には壁一面に本棚のある洋室とテラスという木造3階の細長い家である。
短辺方向に壁を設けると空間が分断されるため、限定された部位に2重の耐震壁を集中させ壁を極力減らすることによりオープンな空間を実現した。

1,2階が主な生活空間で、3階は杉足場板のフローリングと壁一面の本棚、光があふれプライバシーの確保されたテラスにより日常の疲れを週末に癒すことができる気の休まる空間。

内部仕上げは準耐火構造であることから壁天井とも石膏ボード塗装を基本としたが、木部やキッチン廻りは黒の染色としめりはりをつけている。巾木や扉枠もないシンプルな納まりは建て主の要望でもあった。

ランドスケープデザイナーでもあるご主人とこだわりのある奥様がどんな演出をされるかが楽しみだ。

構造設計:ASA 鈴木啓