- 所在地
- 山梨県北杜市
- 竣工年
- 2009年3月
- 敷地面積
- 1,202.7㎡
- 延床面積
- 111.7㎡
- 構造階数
- 木造平屋
- 施工
- 直営
- 写真
- 篠沢 裕
「東京は温暖化によりイングリッシュローズを育てる環境ではなくなった」という花屋を営む建主の友人が、バラ栽培に適した高地に拠点を移すべく土地を探し始めたのが計画の発端だ。その後、友人3人で清里の高原に土地を入手しそれぞれに週末住宅を建てようと話が進んだ。
普通はここまでの話で終わるのですが、これはその最初の計画として実現した。
東京では望むべくもない広い芝生をもつ庭とテラスをもつ家を造ろうということになった。大型犬と大勢の仲間で週末の生活を楽しむための家である。
建物は大きな片流れの屋根フレームの下にL型テラスを配するシンプルな構成。渓流のせせらぎが聞こえる西側に犬といっしょに使える浴室を配置、ここからテラスへとつながる動線を確保し、天井の低い北側に水回りを集約した。南側谷間への眺望の開けるリビングはテラスを介し庭につながる大きなガラス開口。
大きく張り出したテラスは束材の腐食を考慮しすべてコンクリート基礎上からの片持ちとし、南面大開口部は耐久性に配慮しビル用のサッシュ部材を用いている。
着工早々工務店が倒産するというアクシデントもあり、竣工間際までサッシュが入らないという厳冬期、現場での作業は大変だったが、関係者みんなの熱意で完成した。
構造設計:寺戸巽海構造計画工房